東京都のスギ花粉対策事業について

先日参加して来た、東京都主催の「森林ふれあい教室~東京の森林で生まれた木が、住まいになるまで~」のツアーの中で、多摩木材センターの三谷さんから聞いた東京都のスギ花粉対策についてのお話です。

スギ花粉対策事業について多面的に解説していただき、わかりやすかったので、まとめてみました。

先ず、なぜ近年花粉症が増えてきたのか?
スギ花粉は30年生以降発生するということです。植えてから30年までは自分が成長するためにエネルギーを使い、30年を過ぎてから花粉を付けるようになる。昔は平均37年で伐採していたので、今より花粉を付けたスギが少なかった。
また、私たちの住環境の変化もあるようです。

スギ花粉は土に付くとそれ以降悪さをしないが、アスファルトやビルの壁などに付くと乾いて再び舞い上がって人が吸い込む可能性がある。都市化で土が少なくなって来ている。
良いか悪いかわかりませんが、私たちの身の周りが清潔になり過ぎて来て、花粉などの異物質にたいする免疫力が弱くなって来ていることも一因として考えられます。

そんな訳で、東京都としては平成18年から平成27年の10年計画で花粉症対策事業をしていて、対策費として年間5億円も使っているそうです。
材としても優良な品種で、一般の1%くらいしか花粉のつかない品種のスギを既存のスギを伐採して植え替えています。苗は茨城県や千葉県などで育てています。
実際、スギ花粉対策の費用対効果だけで見ると、巨額の税金が使われ過ぎです。
しかしながら、この事業には一次産業対策としての効果を期待しての税金投入といった面があるという話でした。

生物多様性の面から見ると、花粉の少ない一品種のみを植えるというのは、病気に弱いとかなど、なんとなく不安が残る気もします。
というお話でした。

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